이 기사는 <뉴스앤조이>가 10월 22일 보도한 '오사카 예수전도단에는 '도망 나온' 사람이 있다'라는 기사를 번역한 것입니다. 일본어로 번역할 필요가 있다고 판단해 번역본을 올립니다. - 편집자 주

[ニュースアンドジョイ(NEWSNJOY)ー ク・グォンヒョ記者]大阪イエス伝道団(大阪YWAM·キム・ジョンファン宣教師)で20年以上ミニストリーをしたが、今は離婚危機に追い込まれているA。夫と子供たちは、彼女の精神がおかしくなったと主張する。

大阪YWAMのスタッフ(働き人)たちは、彼女がキム・ジョンファン宣教師に恨みを抱いて作り話をばら撒いていると言う。20年間毎日顔を合わせながら一緒に暮していたのに、Aは本当に嘘をつきまくる精神異常者になったのだろうか。

大阪YWAMの不透明な財政に対する問題提起はAの主張だけではない。<ニュースアンドジョイ(NEWSNJOY)>が取材した関係者の中には、この問題に触れた人が多かった。記者が会った情報提供者たちは、大阪YWAMを辞めたあと各地に離れて住んでいて、普段互いによく連絡を取りあっている仲でもなかった。心の中に抑えていたことを、今回Aの事情を聞いて、もはやこれ以上は隠してはならないと思って、記者に話したのだ。

▲ 大阪 YWAMから逃げ出した人がいる。ⓒ

短くは3年間、長くは20年間。大阪YWAMのスタッフをしていた人たちは、財政の問題だけ話したのではない。ある問題は日本の実定法違反の恐れもある。この記事では、情報提供者たちが語った大阪YWAMで起きていた非常識なことを紹介する。

パスポートを一カ所に纏めて保管、逃げ出すと追いかける

「逃げ出すように出て行く人が時々いた」情報提供者たちは異口同音に言った。大阪YWAMでスタッフとして献身した人の中で、誰も知らぬうちにベース(共同生活の宿舎)を離れて韓国へ行ったり、日本もしくは他の海外へ身を隠したりする人がいたというのだ。このような現象は、数十年前からここ数年まで続いたと話した。

記者が取材した人の中では「スリッパを履いてパスポートだけ持ったまま韓国行きの飛行機に乗った」と証言した人もいた。荷物を取りまとめるどころか着替える服さえ持ってくることができなかった。なぜかという質問に彼は「そうでないと行かせてくれそうではなかった」と答えた。彼は、大阪YWAMの閉鎖的で抑圧的な空気に息が詰まりそうだったと付け加えた。

働き人を辞めさせてくれないという証言はまだある。大阪YWAMではリーダー級のスタッフたちが他のスタッフたちのパスポートを集めて一カ所に纏めておくのだが、韓国に帰りたくてもパスポートをなかなか渡してくれなかったと主張した。

ミニストリーを辞めるためには、数ヵ月、あるいは一年以上、キム・ジョンファン宣教師に拝むように繰り返して頼まねばならなかった。あるスタッフは、家族の結婚で韓国に行ってきたあと、パスポートを渡さずに持っていて、逃げるように出てきたと話した。

もしスタッフ1人が逃げると、他のスタッフたちは、彼を捕まえるために捜し回った。大阪YWAMでリーダー級のスタッフとしてミニストリーをしていたBは、記者に会った席で、「私がそのようにスタッフを捜し回った人だった。空港まで追いかけたこともあった。あの時はなぜそうしたのか、今考えると本当に悔やまれる」と話した。

外国人のパスポートを集めて保管することは、実定法違反の恐れがある。日本の入管法第23条によると、日本に在留する外国人は、パスポートまたは各種許可書を常に携帯しなければいけないと述べている。

外国人労働者の逃避を防ぐためにパスポートを奪うことは、日本の労働基準法第5条の強制労働に当たる。雇用関係では、労働者がパスポートをなくしてしまうことのないよう、あるいは労働者が預かってほしいといって雇用主がパスポートを持っていることも問題になる。労働者のビザの問題でパスポートを預かることも、一時的にだけ許される。

▲ 大阪YWAM では旅券を一箇所で保管して出してくれなかったと言われてる。ⓒニュースアンドジョイ ク・グォンヒョ

パスポートを集めておいて渡してやらないというのは、キム・ギュドン牧師体制下のヨハン東京教会を連想させる。ヨハン東京教会でも、キム・ギュドン牧師の側近が働き人たちのパスポートを預かって、ミニストリーを辞めたくても渡してくれなかった、という証言が多かった。そこでも働き人たちは、自分のパスポートをこっそり盗んで(?)韓国へ逃げるしかなかった。

すべてはキム・ジョンファン宣教師の思い通りに?

根本的な問題はキム・ジョンファン宣教師にあると、情報提供者たちは言った。キム宣教師は1989年に大阪YWAMを開拓し、今まで27年間そこでミニストリーをしている。情報提供者たちは、全てのミニストリーがキム宣教師の思い通りに行われていて、誰も彼女に異議を唱えられない雰囲気だと話した。

働き人たちの「結婚」も例外ではなかった。情報提供者たちは、キム・ジョンファン宣教師と彼女の夫である牧師が婚期を迎えたスタッフたちを組にして結び合せると主張した。たいてい韓国人のスタッフと日本人を組み合わせるが、それは韓国人が永住権を得て大阪YWAMのミニストリーにもっと専念することを狙ったものだと話した。情報提供者たちは、キム宣教師と夫である牧師の思い通りに結婚したくない韓国スタッフや日本メンバーが、ある日行方をくらましてしまうことも時々あったと主張した。

人の悪口を言うこともたくさんあった。情報提供者たちは、キム・ジョンファン宣教師が体調が悪いという理由で他のスタッフによくマッサージをしてもらったが、マッサージを受けながら人の悪口ばかり言っていたと主張した。

特に、大阪YWAMでのミニストリーを辞めて離れた人たちについて、「性格に問題があった」、「誇大妄想狂だ」、「結婚を目的にミニストリーをしたのだ」、「金が欲しくて出ていった」と言って非難する言葉をたくさん聞いたと話した。そして離れた人たちとは連絡取るなと言われた。

スマートフォンやSNSもあまり使えなかった。リーダー級のスタッフになればようやく携帯電話が自由に使用できて、他のスタッフたちは韓国で使っていたスマートフォンで、無線インターネットに接続される所でだけ外と連絡ができた。インターネットはベースの1階でだけ使用できる。家族や友人たちに連絡するのが容易ではなかったし、大阪YWAMでは外部との接触を簡単に許す雰囲気でもなかったと語った。

もちろん、宣教訓練のために外部との連絡を節制するくらいのことは、問題とは言えない。しかし情報提供者たちは、このようなことがキム・ジョンファン宣教師の独裁と閉鎖的な文化をさらに強固にしていると話した。

大阪YWAMを離れたら裁きを受けると考える働き人たちもいると言った。このような現象は事実上、信徒たちの信仰につけ込んで彼らを自分勝手に振り回す「マインドコントロール」と違わないと主張した。

パスポートの保管は地震のため…強制結婚だなんて、私たちは統一教会か

記者に会ったキム・ジョンファン宣教師とその夫の牧師、大阪YWAMのリーダー級のスタッフたちは、このような内容をすべて否認した。彼らは記者の質問に対していちいち解明した。結論的に、キム・ジョンファン宣教師の独裁はなかったし、全て情報提供者たちが歪曲·誇張した話だと言った。

パスポートを一カ所に保管したことは認めた。キム・ジョンファン宣教師は「地震が起こるとパスポートをなくしてしまう可能性がある。それで私たちは目立つ赤いかばんにパスポートを保管している。もし地震が起こると、他の物は持ち出せなくてもパスポートだけは持ち出そうという意図だ」と言った。彼女は、スタッフたちが個人的な用事で韓国に行こうとする時は、ミニストリーに邪魔にならない限りいつでもパスポートを渡したと話した。

パスポートを渡してくれなかったという情報提供者たちの主張は歪曲だと言った。共同生活をしているため、たまにスタッフの間で葛藤が起こるが、激昂したスタッフたちがミニストリーを辞めるという時があると話した。

キム・ジョンファン宣教師は「その度にパスポートを渡して行けと言わねばならないのか。リーダーとしてそれは違うと思う。辞めようとするのを留めるだけなのに、それをもってパスポートを渡してくれなかったと言うのは話にならない」と言った。

数人のスタッフが逃げるよう離れたという主張についても、キム・ジョンファン宣教師が行かせてくれないからではないと話した。総務の仕事をしているあるスタッフは「家族のような働き人なのに、辞めたいと言うだけでただ見送るわけにはいかないだろう。私は、私たちがまだ話し合っている途中だと認識していたのに、その人がある日離れてしまったのだ。それは実は私たちにとっても傷だ」と言った。

▲ キムジョンファン宣教師とリーダー級のスタッフたちは疑惑を全て否定した。ⓒニュースアンドジョイ ク・グォンヒョ

「強制結婚」に対しては、とんでもないという立場である。キム・ジョンファン宣教師は「それは話にならない。統一教会じゃあるまいし」と真っ向から否定した。彼女は「共同体の中である人が数人から好かれる場合もあるし、ある人はあの人が好きなのにあの人はまた他の人が好きな場合もある。それで私はリーダーとしてそんな部分を解決しようと努力しただけだ」と言った。

総務スタッフは、キム・ジョンファン宣教師が病気で体調が悪いので、スタッフたちが自発的にマッサージしてあげるのだと話した。他の人たちに対して話すのは悪口ではなく、その人を心配してした話だと言った。彼は「あれを悪口だと言うなら、返す言葉はない。でも、私たちはそんなに水準の低い者たちではない。神様が生きていらっしゃるのにどうしてそんな低質な生き方ができようか」と言った。むしろ悪口は情報提供者たちが言っていると話した。

スタッフたちが携帯電話を自由に使えないのは、費用の問題のせいだと言った。日本は携帯電話の料金が高く、ベースの予算も十分ではないので使用できなかったのだと言った。最近は安い料金プランが出て事情がよくなったと話した。インターネットをベースの1階だけで使用できるようにしたのは、男たちがこっそりポルノ動画を観るのが時々見つかったので、公開された場所で使用しようという意味だと話した。

情報提供者たちが主張するキム・ジョンファン宣教師の「マインドコントロール」も理屈に合わないと言った。毎週スタッフ会議を通して互いにたくさん話し合いながら案件を決定すると話した。総務スタッフは「私もここに20年以上いた。大阪YWAMがキム・ジョンファン宣教師の意思に従って運営されていたなら私だってここに残っているものか。“マインドコントロール”とか、“カルト”とか言うのは、今ここにいる人たちを全員馬鹿にすることだ」と言った。

他の人を操る「マインドコントロール」

「マインドコントロール」という言葉は「感情管理」くらいに解釈されたりもするが、心理学的には複雑な概念を持っている。

社会心理学者の西田公昭教授(立正大学心理学部)は、マインドコントロールを「個人の五感に入力される情報を偏頗的にしたり、また虚偽のものを提供したりして、意思決定の心理的装置である知識と信念のシステムを変化させ、本人の自覚のない状態で意思決定が誘導されること」と定義した。

斎藤勇教授(立正大学教養学部)は、『自己発見心理学』(知識旅行)という本の中で「カルト・マインドコントロール」について言及している。

「マインドコントロールとは、広い意味で人の考えと行動に影響を与える方法だ。スポーツ選手が行うイメージトレーニングや、心が安らかになるよう自分が好きな音楽を聴くこともこの範疇に入る。

このようなマインドコントロールは、十分に内容を理解して自分の意思で行うと自己成長に役立つ。問題はオウム真理教(終末論を主張した日本の宗教団体)事件のようなカルト・マインドコントロールだ。彼らは人の意志を弱め、信徒の思想·感情·行動をコントロールするための技術を組織的に使用した。

オウム真理教で行われた洗脳と入会は次のような過程で行われた。まず、参加者を日常世界と離して隔離する。次に精神的な空白状態にさせる。その後、教義と教理を徹底的に注入する。それから最後に心を引き締めて壁を飛び越えるようにさせる。このように信仰を告白することで自覚ができて内面までも変化する。」

もちろん大阪YWAMがオウム真理教のような極端な集団という話ではない。しかし、情報提供者たちはキム・ジョンファン宣教師とその夫の牧師にマインドコントロールされたと主張する。自分たちも大阪YWAMの中にいる時はキム・ジョンファン宣教師の思い通りに運営されるのが全く変だと思わなかったけれど、そこを離れて外から見ると非常識なことがひとつやふたつでないという事実を悟ったと話した。

Aは、妻・母より大阪YWAMを選ぶという夫と子供たちが、マインドコントロールされていると言う。それが夫·子供たちの、本当の心の深みからの言葉ではないと信じたいのだ。

最近、高校3年生の一番上の子は突然、キム・ジョンファン宣教師の夫である牧師が卒業した神学校に進学すると入学願書を出した。Aは「ここにいると未来は分かりきっている。神学校を卒業してまたここで働くつもりなのだろう。家族と一緒にここを抜け出たい」と訴えている。

記者はAの夫と子供たちにも会うことができた。Aの夫は「何を言っても妻は聞こうとしない。キム・ジョンファン宣教師がおかしいと言うだけで、具体的な理由を挙げることができない」と言った。一番上の子は「神学校への進学は、私と神様の関係で決めたことだ。母さんはうちの牧師先生が卒業した神学校だからという理由で反対している。理解できない」と言った。

キム・ジョンファン宣教師をはじめとする大阪YWAMのスタッフたちは、「私たちも家庭が崩れるよりむしろ皆が離れる方がいいと思う。しかしAの夫と子供たちが離れたがらないのだ。夫はここでイエス様に出会って人生が一変した。子供たちもここで育って大阪YWAMで運営する学校に通った。人生の基盤がここにあるから離れるのは難しいだろう。家庭の問題だから私たちがこれ以上深く関与できない」という立場である。

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